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2012年12月17日

映像をめぐる冒険 「記録は可能か。」展  東京都写真美術館

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●会 期  開催中~2013年1月27日(日曜)まで  10:00-18:00(木金は20:00まで)月曜休館、12/29~1/1休館
●会 場  東京都写真美術館  恵比寿カーデンプレイス内 Tel:03-3280-0099
●観覧料 一般500円、学生400円、中高生・65歳以上250円
●内 容……
 映像史において、記録映画ともいわれるドキュメンタリーは、映画とともにはじまったといっても過言ではありません。まさに映画の父と呼ばれるリュミエール兄弟の世界初の実写映画「工場の出口」(1895年公開)は、タイトル通り工場の出口から出てくる労働者たちの様子を撮影した記録映画でした。
 それから100年以上を経た今日、ドキュメンタリーはひとつのジャンルとして定着し、今や映画に限らず、テレビやインターネット上の動画配信システム、ソーシャルメディアを通じて、ドキュメンタリー映像を観ること、その上、自分自身で発信することが身近な時代になりました。
 しかしながら、映像の誕生から一世紀あまり、数多くの体験をしてきたわたしたちを取り囲む日常は、日々刻々と変化し、映像が担う役割も複雑化してきています。
 
 それでは映像は何を記録することができるのでしょうか。そして何を伝えることができるのでしょうか。もしくはそもそも映像は何かを記録することができるのでしょうか。
 今回の展覧会では、そうした問いを出発点に、過去から現在、未来にいたる記録映像の変遷と可能性を、映像と社会を結ぶいくつかの事例から検証します。(プレスリリースより)

投稿者 ips_kanri : 09:58

2012年12月07日

この世界とわたしのどこか  日本の新進作家

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                  ▲大塚千野 <1976 and 2005,Kamakura,Japan>2005年 
●会 期  2012年12月8日~2013年1月27日(日曜) 10:00-18:00(木・金は20:00まで)月曜休館、12/29-1/1休館、1/2,3は11:00開館
●会 場  東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel: 03-3280-0099
●観覧料 一般700円、学生600円、中高生・65歳以上500円
解 説……笠原美智子学芸員による
 「失われた20年」と言われる。わたしはこのことばに違和感がある。「失われた20年」が経済的観点からの1990年代から2000年代への評価であることは知っていても、なお違和感がぬぐえないのは、そこには1990年以前への懐古の念が漂っているからである。デフレによる消費や投資の停滞、雇用環境の悪化による非正規労働者の増加、所得格差の増大、膨大な財政赤字、少子高齢化、急激な円高・株安、輸出の減少、それに追い討ちをかけるような東日本大震災と原発事故。確かにこの国には閉塞感と不安感が立ち込めている。それでもこの20年間が「失われた」とはわたしには思えない。(中略)
 この20年間で「失われた」のは、既得権益を持つ大きな集団や制度、それに基ずく価値観への信頼である。金融資本主義も官僚制度も家父長制度も、二大政党制も大企業中心主義も、グローバル化も市場中心主義も、ほんとうのところは誰のためのシステムなのかと疑うようになった。
 「失われた20年」とは、そうした信頼を失った権力や経済的な優位を甘受した者たちが、「昔は良かった」と嘆く自己憐憫の言葉である。社会状況の変化によって変わってしまった人々の意識に応じてシステムや制度を変更するのではなく、信頼を失った旧態依然のシステムや価値観を無理やり稼動させていることが、閉塞感と不安感の原因である。
 そんな「絶望の国」の社会や政治にうんざりして見限って、若者は慎ましくも堅実に「今、ここ」に幸せを見いだそうとしているのだろう。
                           *
 本展は1972年から1979年生まれの5人の女性作家を取り上げている。いずれもバブル崩壊後に成人し、この10年あまりでアーティストとしてのキャノアわ確実に積み上げてきた作家たちである。閉塞感と不安感に満ちて、様々な問題が山積し、既存の価値観が大きく変化している現代にあって、それでも彼女たちはそれぞれが自分の足元を見つめながら自分の課題と格闘し、独自の世界を創造している。
 いまもっとも勢いのある新進作家5人の作品を考えることで、日本の「今」の一側面を浮かびあがらせてみたい。(プレスリリースより)
出品作家……菊池智子、田口和奈、笹岡啓子、大塚千野、蔵 真墨

投稿者 ips_kanri : 18:59

2012年12月04日

「いつか見た風景」  北井一夫写真展

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●会 期  開催中~2013年1月27日(日曜)まで。10:00-18:00(木・金20:00まで)月曜休館、12/29-1/1休館、1/2,3は11:00-18:00
●会 場  東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 tel: 03-3280-0099
●観覧料  一般600円、学生500円、中・高生・65歳以上400円
●内 容  初期の代表作「バリケード」「三里塚」などは当時の社会を象徴する代表的な事象を扱うルポルタージュ性の強い作品ではありますが、バリケードのなかにたてこもる学生や、成田闘争に参加した農民を内側からとらえた姿は、同じ出来事を撮影した多くの写真とは一線を画した作品でした。
 その後はじまった「いつか見た風景」「村へ」は失われていく日本の農村の原風景をとらえた作品で、北井氏の代表作となり、彼の評価を確実なものとしました。
 その後東京のベッドタウンのひとつである船橋市の市民の生活を撮った「フナバシストーリー」などは、新興住宅街の生活を明るく軽いイメージでとらえたものです。
 北井氏の作品はさまざまに変化しているようにも見えますが、常に時代と向き合う視点であることに変わりはありません。人々の生活をとらえた写真は、どんな世代の人にも、いつかどこかで見たことがある風景のように感じられるでしょう。(プレスリリースより)

投稿者 ips_kanri : 14:26