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2014年07月14日

フィオナ・タン  「まなざしの詩学」展

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●会 期  2014年7月19日(土曜)~9月23日(日曜)まで。10:00-18:00 木・金は21:00まで。月曜休館。
●会 場  東京都写真美術館 恵比寿ガーデンプレイス内 Tel: 03-3280-0099
●観覧料 一般900円 学生800円 中高生・65歳以上700円

 ▼展示構成
   ・Inventory……
   撮影には、35mmフィルム、16mmフィルム、Super-8、8mmフィルム、Digital video、Vidio-8 の6つの技術を使い、それぞれを異なる画面として併置しました。
   個人や美術館、博物館が、物を収集・保存・展示すること、そして時代を超えてそれらを見つめるという意味……。その意味を静かに問いかける作品です。

   最近では、どのカメラで撮影するかを決めるのに長いテスト期間を設けます。Inventory ではその過程自体を作品にし、何で撮るかをあえて一つに決めないことにしました。

   この作品を発表してから、たとえ安いカメラで撮影しても、いい映像が撮れると考えるようになりました。とはいえ、見る人はメディアの違いを識別しないかもしれません。この作品が扱っているのは技術的なことではないので、それでもいいのです。

   私はセルロイドフィルムがまだあった時代に育ったので、フィルムがつくりだす色や感覚はとても好きです。しかしそれは懐古的な意味ではありません。私の子どもたちは、その違いなど気にかけないということも充分理解できます。技術はとても重要ですが、だからこそ鑑賞者の目に入らないほうが作品にとって望ましいと思います。

   一方で、様々な技術的な問題に直面することは、制作のペースを遅くします。これは多くの人が抱える困難ですが、私にとっては、それだけ作品のことを長く考え、様々な角度から吟味することを可能にしてくれます。

   ・Disorient……
   マルコ・ポーロが遺した「東方見聞録」からの抜粋。
   ヴェニスからはじまったマルコ・ポーロの旅を、2つの大きな画面で同時に映し出される現代の風景や、さまざまな文物の映像とともにたどり直します。
   ひとつの作品のなかに、フィクションとドキュメンタリーが同居し、異なる時空間が交差する。これもフィオナ・タン作品に共通する面白さのひとつです。

フィルム上映
   ・興味深い時代を生きますように……1987、ドキュメンタリーフィルム 60分、日本語字幕。
   自身の血縁者 (フィオナ・タンは、中国系インドネシア人の父と、オーストラリア人の母との間に生まれる) を、オーストラリア、香港、インドネシア、中国、ドイツ、オランダに取材した、異国の地に生きる華人の文化的なアイデンティティについて考察した私的なドキュメンタリーです。

   ・影の王国……2000、ドキュメンタリーフィルム、50分、日本語字幕。
   写真がいかにわたしたちの認識を変えうるか、遺された写真とどのような関係を結んでいったらいいのか、タンは問いを重ねていきます。多くの作品に通底する彼女の写真論・イメージ論が凝縮した一篇です。(以上プレスリリースより抜粋)

   上映スケジュールは写美のHPで確認のこと。  www.syabi.com
   なお、本展示を最後に東京都写真美術館は2年間の休館に入ります。
   巡回予定は、2014年12月20日から翌年3月22日まで、国立国際美術館にて。

投稿者 ips_kanri : 2014年07月14日 16:51